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燃えている

國井です。

 

【高知キャンプ22/32日目】今日のトレーニングは午前中のみとなりました。これまでのキャンプ中も雨の降る環境でトレーニングを行なったことはありますが、今日は比較的気温が低い状態で、競技場につくと「寒い寒い」と言いながらロッカールームに入っていく選手が何人かいました。練習が始まるとほとんど雨が降らなかったことは、体調面を考慮すれば非常によかったと思います。トレーニング後、ピッチのそばで行なった片渕監督の取材が終わると、眩しい日差しが照りつけ気温も上昇し、濡れた陸上トラックから湯気が立ち上っていました。その湯気を切り裂きながら、トラックをゆっくりと歩く車健人通訳はとても幻想的に見えました。

 

「ルーティンに入っていく」と、片渕監督は今日のトレーニングで高負荷なメニューを避け、戦術に特化したことを語っていました。リーグ戦が始まれば、立ち上げ初日からフィジカル、ボールワーク、チーム戦術という流れを繰り返していくように、今日は自分たちが取り組んできたことを整理しながら、ある程度、対戦相手のファジアーノ岡山を想定した内容で進んでいきました。

 

しかし、決して軌道に乗っているという認識だけではありません。練習中に「ほうっておけ!」という、このキャンプで最も大きな片渕監督の声がピッチに響きました。「前から行くだけではない」ということを選手たちに伝えたかったと監督は説明しましたが、勢いよく前線がボールにプレスをかけにいっているところ、中盤・最終ラインに連動が少なく、危機的な場面につながりかねない状況がありました。「基準をつくりたいし、あえてインプットさせるために」と、片渕監督は声を張り上げた意図を説明します。

 

このように、シチュエーションに応じて最適なプレーを集団で行なうために磨き上げなければならいことは多数。「認知・判断・実行」を選手に求める片渕監督は、試行錯誤しながらチームで上へ上へと高みを目指していきます。その中で堀米選手は、ムードメーカーの役割を担いつつ「試合に出たい」と、チームへの貢献を誓っています。昨年は手術後のリハビリに長い時間を要しましたが「スネの違和感もない」と、あとはトレーニングの中で体のバランスを矯正していくだけです。

 

「チームがあってこその個人だと思っている」と、自身のアピールを怠ることなどありませんが、チームが勝つ集団になることを最優先に考えられるのは、堀米選手の素晴らしいスピリット。トレーニング中もチーム内の競争は激しく、ぶつかり合いにこちらの方が目をそむけたくなるように感じますが「自分の持っているものを新潟の皆さんに見せたい」という本心が、堀米選手のエネルギーになっているはずです。ブルーカラーの頭髪は専用のシャンプーを使って少しずつ染色。青は冷たいイメージの色ですが、心は真っ赤に燃え盛っています。堀米選手がチームの主軸としてピッチに戻る日は、もうすぐそこまで来ています。