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スタートラインは超えている

國井です。

 

【高知キャンプ17/32日目】曇り空に覆われている環境の中、今日はまたひとつ深い部分のトレーニングに取り組んだ選手たち。明日はトレーニングゲーム、カマタマーレ讃岐戦が控えているためか、極度に激しいメニューは組まれていませんでしたが、セットプレーなどのリスタートについて詳細な要求が落としこまれたため、選手たちの頭はフル回転しているようでした。約半月をかけて全員で積み上げていたものを、明日のトレーニングゲームですべて発揮しなければなりません。上出来と言えるプレーをしてほしいと願う一方で、速やかに着手すべき課題をあぶり出す、いい試合になってほしいとも思います。

 

そして、今日の午前中のトレーニングを終えて、ひとつ嬉しいことがありました。ご見学にお越しいただいたサポーターが「これ、スタッフの皆さんでどうぞ」と、両手に持った大きなショッピングバックを上げて、差し入れをプレゼントしてくれました。「弥彦のお菓子です」と、高知県で聞けるはずがないと思っていた愛着のある地名に心が躍りました(ついでに、弥彦を訪れる際に必ず立ち寄る酒屋さんも思い出しました)。キャンプの折り返しを越えて、ホームシックになりそうなタイミングにいただいたお菓子を、スタッフたちも嬉しそうに食べていました。

 

「順調なんですよ」と、自身の体がトレーニングに対応できていることを、嬉しそうに話す早川選手。1週目こそ、筋肉の痛みを抱えていたそうですが、3週目に入りタフになった実感を持っています。確かに1週目のランニングを痛みで回避し、ピッチの脇で悔しそうな表情を浮かべていた早川選手を見ていましたが、見違えるほど明るい表情を見せています。

 

「去年、1年をかけて、このキャンプのためにトレーニングを続けてきた」と、スタートラインにこぎつけたことに胸をなでおろしますが「他の選手よりもフィジカルが低いのを痛感している」早川選手。ある程度、キャンプの厳しさを想定はしていたものの「やはりキャンプでしか感じられないことはある。みんながいるからリアリティを持って感じられる」と、悔しさ半分、乗り越える課題を見つけた嬉しさが半分という精神状態です。

 

サイドでもセンターでも順応できるクレバーさを備えている早川選手ですが「今はサイドよりも中央のポジションのほうが戦えるのではないか」と自己分析。サイドのアップダウンに耐えうるフィジカルを考えるよりも、360度の視界で周囲を見ながら連携するセンターのポジションの座を狙っています。キャンプトレーニングの合間を縫ってSNSでの発信も盛んな青年は(最近、國井の名前を連呼する傾向で恐縮しています)サポーターとのつながりも大切にしているのが分かります。選手それぞれがピッチで戦う義務があり、早川選手も十二分に理解しています。自身との戦い、チーム内競争に打ち勝つだけのパワーは備わりつつあります。