不安と葛藤を乗り越えて
國井です。
【高知キャンプ25/32日目】今日は珍しく高知県は曇り空に覆われていました。競技場の管理をされている方と、毎日あいさつしていて顔なじみなのですが「変な天気だね」と、高知を地元にしている方としても、さほど雨が降らないのに雲が多いことに首を傾げていました。練習会場で報道の皆さんの受け入れ準備をしていると、いち早く到着したのがFMPORTの松村さん。新潟で放送されているラジオ番組の生中継をするために、早めにお運びになりました。
手際よく機材の準備を進めていましたが、定刻になっても動きがなく、心配していると、少しトラブルが発生したようで、結局スマホで会話が始まっていました。近くで松村さんの声を聞いていましたがトラブルにも動揺はなく、すらすらと高知キャンプの様子をはっきりと話している姿はやはりプロ。チーム状況をリアルタイムに伝えてくれたのは本当にありがたいことです。本日で取材活動は終了となりますが、新潟に戻ってからも、広くたくさんトップチームの声をお伝えいただきたいなと思います。
今日はトップチームに新しいメンバーが加わったことをお伝えしました。新井直人選手は、この3月で新潟経営大学を卒業し、プロ選手生活をアルビレックス新潟でスタートさせることになりました。大学4年のこの時期に就職が決まっていなかったことは「人生を決める年齢で不安や葛藤はあった」と、苦しいことを思い出して沈痛な表情を見せます。キャンプ開始早々の時期に「フリーキック蹴りたいやついるか」と、練習中の片渕監督の呼びかけに、周囲に目もくれず挙手した強心臓の持ち主である新井選手。
その後、ホテルでフリーキックの件を話すと「両足とも蹴れる自信があり、ここで蹴らずにいて契約できなかったら絶対に悔いが残る」と、あらゆることにアンテナを巡らせて、アピールし続けたことが分かりました。「新潟にかける」と決めたのは、昨年に福島で行なったいわきFCとのトレーニングマッチに出場したとき「練習生の自分の名前も叫んでくれたサポーターに胸が熱くなった」こと。そういえば試合当日、國井はPC画面を掲げてご来場のサポーターにメンバーをお伝えしていましたね。
新井選手は「ほっとしている」と正直に話して顔を赤らめます。練習に帯同しているからこそ、緊張感は痛いほど伝わっているため「チームの一員としてこれからは見られる。見られるからにはさらに自覚を持って取り組みたい」と、固く誓っていました。昼食後「携帯が壊れそう」と、鳴り止まないLINEに笑顔を見せる新井選手。加入発表の少し前に「まだ実感はなくて」と言っていましたが、今日で180度景色が変わって見えたことでしょう。そして、新潟に戻ったらサポーターの皆さんはぜひ、私たちの新井選手に声をかけてください。プロを叶えた新井選手に声援をお送りいただき、新潟に加入してよかったと感じさせてあげてほしいと思います。