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どんなときも

2017年11月18日。選手契約を凍結していた早川史哉選手は、ひっそりとデンカビッグスワンスタジアム2層目の観客席に居ました。冷たい雨が降る中で行われたJ1第32節・ヴァンフォーレ甲府戦。1-0で勝利しながらもスタジアムにはJ2降格決定のアナウンスが響き、辛く悔しく、悲しみの中にいても、ずっと選手に声援を送り続けるサポーターの姿を見ながら、「絶対に忘れてはいけない瞬間」と、その光景を自分の目に焼き付けていました。自分が何もできない悔しさと無力感、そして「来年、戻るんだ!」という強い想いを抱いていた早川選手は、降格決定の後に新潟日報に掲載された、内田潤アカデミーダイレクターのコラムを切り抜いて、大切にノートに挟んで取っておきました。「スタンドで試合を見ていたメンバー外選手が下に来ないで。スタッフが頭を下げているのに、お前たちは何をやっているんだ」。あの日から5年目の10月初め。早川選手はたまたま、その切り抜きのことを思い出して内田さんの言葉を読み返していたそうです。

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