「詠太郎がボールを持つと、スタジアムが沸くんだよねって、コジくん（小島亨介選手）が言ってくれて、すごく嬉しかったです」。前節･湘南戦では反撃の狼煙とも言える高木善朗選手の1点目の起点となった松田詠太郎選手のドリブル突破。松田選手がボールを受け、右サイドからドリブルを仕掛けるとビッグスワンの歓声が一際大きくなりました。「自分でもそれは感じていました。でも人から言われると、やっぱり嬉しいですね」と、松田選手はあのスタジアムの雰囲気を思い出してあどけない笑顔を見せていましたが、ほんの２か月前までは、思うような出場機会を得られずに苦しい日々を過ごしていました。「大宮でも試合に出られない経験をしていたので、その頃と同じような辛さがありました。でも、ここで諦めてしまったら、あのときと同じだって。もがいてもがいて、『自分で打開しよう』という気持ちを持ち続けていました」。苦悩の末にメンバー入りをつかみ取り、約2か月ぶりにリーグ戦出場を果たした7月1日の広島戦は「今までやってきたことが無駄じゃなかった」と思えた試合となりました。