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スピード感

國井です。

 

【高知キャンプ29/32日目】キャンプ生活もあと少し。過去最長のキャンプに開始当初は心配を多く抱えましたが、主務の池亀くんの段取りをはじめ、スタッフ総出でトレーニング準備を進めるなど、選手のことを第一に考えながら過ごしている姿に、安心感と期待感が膨らむ一方となりました。反対に、個人的には新潟で待つ日常(長い通勤やプライベートで言えば大量の家事)に、すんなりと戻れるかどうかが不安になってきています(笑)。起きてすぐパソコンができて、エレベーターで下がれば食事会場が待っている。食器は下げてくれるし、ベッドメイキングもしてくれます。床に就く寸前まで仕事に手がつけられるのも、新潟ではできないことです。しかし、どんなに寒く雪が舞っていようとも、ホームタウンに戻りたいという思いは強いです。

 

今日のトレーニングはこれまでの長期キャンプの成果を感じるものでした。深く語る前に、高知の天候は暖かく、サムエル選手は半そででプレーしていたことだけはお伝えしなければなりません。どの外国人選手も真摯なプレーが特徴ですが、今日のサムエル選手はひとり軽装で大粒の汗をかいて、ピッチをかけていました。もしかすると昨日の夕飯のメニューにチャーハンが出ていたからかもしれません。

 

そして、トレーニングの内容に戻ると、試合形式のメニューではハーフコートの程度の大きさでしたが、守備網の裏を突こうとする攻撃が多彩でした。多くの選手が昨年から継続していること、片渕監督が昨年から続けて指揮を執っている理由が手に取るように分かりました。ディフェンスラインからミッドフィルダーにボールを預け、連動してフォワードが目まぐるしくスペースに入り込む。得意の形はこの期間でさらに輝きを増しています。

 

何度もゴール前に迫るフィールドプレーヤー。ゴールネットを揺らすシーンは多く見えましたが、ゴールキーパー陣が大迫力のセービングを連発していたのも事実。大谷選手はキャンプ序盤こそ「筋肉痛に襲われた」と、遠い昔のことのように話しますが、その分、体は洗練されてきています。ジェルソンGKコーチから受ける2年目の指導に「もっと細かいところをやっていく」と、微細な立ち位置や腕の構え、足を向ける方向にもこだわって、技術を磨いているそうです。

 

究極は「考えずとも試合で体が自然に動くように」と、無意識に指導の成果を出せるようにしたいと大谷選手は考えています。今日も幾度となく打ち込まれるシュートを追い、ゴールを割らせる回数を減らしていました。すさまじい攻撃にも「もっとスピード感がほしい」と、フィールドプレーヤーに奮起を催促したい大谷選手。攻撃のリズムによって速度に違いがあってあたりまえだと理解はしていますが、要求を高めていくことでしょう。強烈な攻撃とゴールの門番の戦いが高いレベルにあればこそ、チームとしての成長は加速するに決まっています。