チームの力に
「今年にかける想いは相当強いです。新潟に来てからの2年間は苦しくて、『自分はぜんぜん新潟のためになれていない。なんの貢献もできていない』という気持ちが強くて。契約更新のタイミングで悩んだときに、俺は新潟のために何も残していない。このままだったらダメだって言ったら表現が浅いけど、自分がどうにかしてチームの力になるためには、『今年にかけるしかない』って思いました。オフシーズンもキャンプ中も常に自分に向き合って取り組んできたから、昨日はそれが一つ形となって表れてくれたかな。でもこれを継続すること、積み重ねることが大事で、昨日の試合が最低にならないとダメだと思う。もっともっと良くしていかなければいけないって、試合が終わってすぐに思いました。それをこれから表現したいですね」。開幕戦から一夜明けた今日の練習後、2025シーズンのファーストゴールを決めた太田修介選手がこう話してくれました。
自身初となる開幕戦でのゴールは試合後に報道陣を前に振り返ってくれていますが、大阪のホテルに着いてから映像を見てみると、太田選手が思っていた以上に橋本健人選手との距離が遠く、「あれを通せるのは、すごいな」と橋本選手のフィードの精度の高さに驚いたそう。実際にボールを受けたときは、「ピンポイントでバウンドも俺のところに来たから合わせるだけ」と、とにかくトラップだけに集中したそうです。そして、その一つ前のプレー、太田選手らしさが光る右サイドからのキレキレの仕掛けは得点にはつながりませんでしたが、キャンプでずっと取り組んでいたものでした。昨日は仕掛ける回数をもっと増やしたかったそうですが、左からの侵入が多い展開だったため、「もう今日はフィニッシャーになろう!」と冷静に判断。その後に生まれたゴールの後も果敢にゴールを攻め続け、昨年の自分自身との違いを見せつけてくれました。
「自分としては、ずっと仕掛けたいと思っていて、樹森さんになってから『どんどん行っていい。逆に行かないとサイドの選手として価値がない』って言ってもらいました。だから『ああ、いいんだ』って思って。キャンプに入る前のミーティングでも個人的に話をするときも、『仕掛けろ、仕掛けろ』って。だから、もう少し数を増やしたいですね」。昨日は「マリノスの守備、植中選手が(藤原)奏哉のところに蓋をするのが速くて、うまく対応されてしまって」と、なかなかチャンスをつくれなかったと話す太田選手。後半にも「行ける!」と思った場面があったそうですが、「展開が速くて奏哉がフリーだったから1回落としちゃって」と、思い通りの展開に持っていけなかった悔しさも語ってくれました。
大阪を拠点にして練習と試合に臨むこの期間は、「家族に会えないのは寂しいですけど、自分に向き合う時間がひたすらある。サッカーのことばかり考えられるので刺激的です」とポジティブに捉えています。(「家族のことを考えだすと、めっちゃ寂しくなっちゃうから」とも話していますが・・・)。
昨日の試合前には「今すぐ見て!」と奥様から動画が送られて、そこにはサッカースクールでゴールを決めてゴールパフォーマンスをする愛しい娘さんが映し出されていました。横浜FM戦の試合後にもコメントしていましたが、初披露となった今年のゴールパフォーマンスは娘さんが考案。しかし、スマホに映る娘さんのパフォーマンスは去年のポーズだったそうです。「試合が終わって『なんで?』って奥さんに聞いたら、『パパにこれがいい!って言ったの、忘れてるみたいよ』って(笑)。でも娘のゴールを見て『今日はあるかもしれないな』って感じたから感謝しています」。
これからあと10日間、選手たちは鹿島戦前日まで、愛する新潟と大切な人たちに想いを馳せながら、大阪の地で樹森監督のサッカーに没頭していきます。
それでは、また次回、根津でした。