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中心になる

 

2025シーズンのJ1リーグ開幕戦となった横浜F・マリノス戦。いわゆるトップ下、攻撃的なMFとして出場した元希の鬼気迫るプレーぶりは、皆さんの記憶に刻まれていることと思います。一方で、淡々とプレーに打ち込む姿から、ポーカーフェイスに見える場面もあったかもしれませんが、胸の奥にはメラメラと秘めた思いがありました。日頃の姿勢から、チームを牽引する気概を感じることを向けると、「幼少期からどのチームでも中心となってやってきた。甲府のときもそう。そういうときこそ自分の強みが出せると思っているから」と、新潟でも今季は強い覚悟で臨むという、元希のたくましさを伝えたら、もう今日の広報ダイアリーはおしまいにしてもいいくらいです。

 

続けて、「決して王様になろうというものではない。チームの中心になることで自分のプレーの質は自然と上がってくるし、そういう選手が周りに与える影響は大きい。まずは、そういう立ち位置になりたい」。これまでの経験から、位置取るべき場所が分かるのでしょう。さらに、「そこを目指しながら、チームの中で一番頑張るとか、努力を加えていきたい」と、言葉以上に背中で見せるつもり。「そもそもはチームの勝利が一番大切。チームの中心を目指して努力すれば、いい影響をもたらせると思うし、そういうことを目標に今季は頑張る」と、自己主義でなく全体でのレベルアップを見据えているのが素晴らしい。

 

キャンプに入ったばかりの頃、樹森監督から課題を突きつけられた元希。どんなところなのかを尋ねると、「自分は綺麗にプレーするスタイルが強みであり弱みでもあるということ」と答えます。「ということは、やはり強度が足りないという裏返しでもあると理解した。だから、キャンプではプレー強度を上げること。そして、オフザボールの時のランニングについても指摘をもらったから、この2点をキャンプ中に意識して取り組んできた」と、思い起こします。課題を言い渡されて以降、そこまで監督とは話をしていないそうですが、「起用してくれることが多いということは、ある程度課題に向き合えた結果だと受け止めている。見えない圧力も感じているが(笑)」と、苦笑いしていました。

 

「去年は新加入で初めてのJ1。探り探りの部分もあった」と、比較的受け身のような印象を受けましたが、「それでも試合にある程度出たから、今季は発信していくことが大事。相手の話を聞いてどう思っているかを周囲に共有したり、チームが一つにまとまるため、あとは自分が分からないことを理解するためにも、コミュニケーションがとても増えたキャンプ期間だった」と、スタートから積極的に行動したことが窺えて、ますます元希の活躍への期待が膨らみました。

 

明日に対戦する清水。「開幕戦を見る限り、とてもいいチーム。質が高く違いをつくれる選手もいる」と、元希は分析しています。横浜FM戦で、強度の高い守備を継続できたことに手応えを感じていますが、攻撃面では「いい感覚が掴みつつあるが、もっとボールに触ったり味方の選手を動かしたり、逆に自分が動いて味方をフリーにする動きが必要」と、納得を得るために、元希自身が強みとしているオンザボールの時のプレーで、敵陣を切り裂くつもりです。

 

私たちが見たいのは、もちろん攻守において相手を圧倒するプレーです。その上で元希に期待したいのは攻撃面。元希だけにしか分かり得ない感性で繰り出すパスやシュートで、沸かせてほしいと願うばかり。“綺麗で強くてかっこいい”、そんな元希がゴールを奪い、アウェイ側のスタンドで喜ぶサポーターに駆け寄り、雄叫びを響かせるシーンが早く訪れてほしいものです。

 

サポーターに向けて、「去年のルヴァンカップで新潟サポーターの注目度が高まったと思うし、マリノス戦では応援の熱量がさらに増したように感じた」と元希は嬉しそうに話していました。「新潟の降雪の影響で、今季は開幕してからしばらくアウェイが続くが、清水にもたくさん来てくれると聞いている。自分たちを応援するために遠くから来ている方々のためにも、試合後に楽しかったと感じてくれるように頑張らないといけない。大雪のところからわざわざ来てくれていることも意識しながら、一生懸命戦いたい」と、言葉を締め、「金髪よりも好評なので、ブリーチしないように頑張ります」と、髪をかきあげながら練習会場を後にしました。

 

それでは、明日も温かい応援をよろしくお願いいたします。どうにか勝利を掴んで自信を掴み、勢いに乗りたいですね。國井でした。